2016年5月3日火曜日

AUGUST 千の刃濤、桃花染の皇姫 体験版 感想

 2016年9月23日発売予定の、AUGUST 新作「千の刃濤、桃花染の皇姫」(略称: 千桃)ですが、5月に入り体験版が公開されました。
http://august-soft.com/hatou/index.html

(リンク先は18歳未満閲覧禁止です。)

体験版と言いつつ、容量は1.6GBです。世界観やキャラに馴染むのには十分な分量でした。プレイ時間は丁度5時間。私は音声を全て聞いているので、かなり時間をかけている方だと思いますが。


とりあえず簡単にあらすじ・感想でも書いてみます。

あらすじ


皇帝によって統治され、術による守りもあって、長いこと鎖国的な状況が続いていた「皇国」がありました。しかし、内部の裏切りによって術による守りが消え、それに合わせて「共和国」と呼ばれるアメリカっぽい国に侵略を受け占領されました。で、その裏切り者が、皇国の統治を任されているという状況です。
 
侵略時に生き残った、朱璃(あかり)という先代皇帝の一人娘・メインヒロインと、皇帝に使える「武士」の1人である主人公・宗仁(そうじん)が、それぞれの信念を胸に、協力しつつ戦おうという感じの話です。

感想


・雰囲気について

 同メーカーですと、FORTUNE ARTERIALの終盤と、穢翼の序~中盤が好きな私としては、本作は非常に期待できそうです。数年ぶりにブログを執筆する位には気に入りました。ダークな色がある作品が好きだなと改めて感じましたね。

本作は、穢翼と同じ重さか、それよりちょっと軽い位の世界観かなという印象です。治外法権等の不平等条約がある占領下とはいえ、一応普通の生活が成り立っているという設定です。

占領側の共和国人と、被占領側の皇国人が共に通う学園もあります。これがダークな雰囲気を多少和らげているかもしれません。というよりむしろ、作品全体の雰囲気と学園の印象の違いに、少しチグハグな印象を受けた位です。

(そもそもこの学園という設定って、どういう事なんでしょう。学園に通う共和国人ってどういう層なんですかね、軍人?軍人の子息?軍人が占領先の学校に通うって違和感があるんですが、そんな物ですかね。誰かが、何かしらの意図を持って作り上げた学園であり、違和感があるのが当たり前、みたいな展開だったら燃えますね。はい、まあ、こんなことは置いておきましょう。)


・シナリオについて

 ダークな雰囲気に合わせて、色々な勢力や登場人物の思惑、呪術という不思議な力などが合わさって、先の見えないストーリー展開が続きそうです。先を予測するヒントらしき物が文章中に散らばっているので、自分で予測しつつ読んでいくのも本作の楽しみ方かもしれません。


 剣戟の描写はもう少し頑張って欲しい気もします。 術者が自らの命と引き換えに刀を鍛えるという設定から、村正を思い浮かべる人は多い気がしますが、村正とかと比較してしまうと文章量が少なく、物足りない気がします。エフェクトと立ち絵を利用して見せるやり方はマブラヴっぽいかな。こちらもどうしても見劣りしてしまいます。まあでも、色々挑戦する姿勢は好きですが。


・ヒロインについて



魅力的な子が多いですね。特に古杜音(ことね)とか。特に古杜音とか。大事なので2回言いました。特に古杜音とか。

とまあ、個人的には古杜音が非常に可愛くてたまらないです。非常に可愛いです。古杜音。





(※本記事の全ての画像について、著作権はオーガストにあり、無断転載は禁止です。)

ついでに、メインヒロインの朱璃(あかり)も、かなーり良いです。夜明け前のフィーナ様を彷彿とさせます。姫ですしね。芯があって、メインヒロインの風格抜群です。ストーリーの本筋と大いに絡むでしょうし、非常に楽しみなヒロインです。






 もう1人、占領側の共和国トップの娘であるエルザもお気に入りです。この子は軍を指揮しているのですが、どうやら父親とは別の、独自の信念で動いていそうです。良いですね、敵対関係にあるヒロイン。燃えます。



この3人だけでも、とりあえず自分は大満足です。皆さんきっと好きなタイプのヒロインが居ますよ。(適当...)


・システムについて

 システムの完成度も、いつもの如く異常に高いです。毎度進化していますし、本当にもう安心のオーガストです。セーブデータのエクスポート機能とかまで付いててビックリしました。ショートカットの割り当ての自由度も上がっていましたし、タブレットPC用のシステムを構築した試みも面白いですね。(個人的には iOS とかでも出来るようになると凄く嬉しいです。)

今後も、業界を牽引する意味でも、色々と試行錯誤して挑戦してみて欲しいですね。

・グラフィック

 綺麗です。可愛いです。素敵です。立ち絵の差分が多く、かつ背景も豊富なので、 普通の場面が一枚絵レベルだなと感心するばかりです。立ち絵の場面をスクショしてデスクトップの背景に使いたくなる作品は貴重です。

・総評

ヒロイン・ストーリー・グラフィック・システムと全体的に高水準であり、まあやらない手は無いかと。穢翼と同様、夜明け前とかがダメだった人も結構楽しめるのではないでしょうか。




・今後の展開に対する妄想とか(ネタバレ多いです。)

 先ほども書いた巫女の命と引き換えの刀とか、何十人の巫女の命と引き換えに作られた衣装とか、そういう描写があまりにもサラっと書かれていました。人の命の扱いの軽さに多少の嫌悪感を覚えました。まあサラっと書かれているのでそこまででもないですが。
 皇帝のために、自らの命を物に変換するには、それに足る相応の理由とかエピソードとか、そういうのがチラっとでも描かれて欲しいなと個人的には思います。

 まあ、それぞれの生き方を大事にしようっていうのは、作品中で何度も主張されている話なので、きっとそういう時代で、そういう巫女の生き様なのでしょうかね。もしかしたら、古杜音や、花屋の店長の出自のエピソードとかが、巫女の生き様と絡んだ物になるのかもしれないなとか妄想しています。

 ついでにもう一つ妄想を。主人公と朱璃が、初代のご先祖達の生まれ変わり、もしくは憑依されいてる的なストーリーになったりしないかなとか思っています。体験版の最後で、朱璃の雰囲気が変わったとか、宗仁の身長が伸びていたとか書かれていましたし。宗仁の身体の紋様(?)だかが古杜音の知らない物だったり、記憶の混濁があったこと、宗仁には使えないはずの剣技を使えたりしていること、などを併せて考えると?宗仁が先代の巫女長と会って、その命と引き換えの術で、初代皇帝の時代の魂か何かを植えつけられている、的な。青い球状の何かは巫女長の作った物かもなと思います。

 とまあ、根拠に乏しい妄想を垂れ流しましたが、 こういう先を予想しながら読める作品はプレイしていて楽しいですよね。


いくつか気になった点 

・「朱璃と名前で呼んで」とかいうやり取りの前に、主人公が朱璃と呼んでいた点。ほとりとの初対面あたりの会話にて2回程見かけた様に思います。

・スクショの出力先フォルダの設定があったら尚便利かなとか。もしくはデスクトップに専用フォルダ作ってそこに入れるとか。デスクトップに画像がバラバラと並ぶのは若干面倒。個人的にはセーブデータのフォルダに入れてくれるのも好き。

・完全に個人的な趣味ですが、初めて訪れた場所のシーンでは、街のどの辺りかマップが表示されると冒険してる感があってワクワクします。該当地域を赤く塗るとか。どうでも良いですかね?笑


以上です。気になった方は是非体験版をやってみて下さい。面白いですよ。